セラ改造指南道場 4章 4Eノススメ2(エアクリーナ、オイル、プラグ交換の仕方)


さて、4Eの具体的な話その2です。比較的DIY性の高い部分ですので、一部作業手順と、難易度もつけてあります。基準は、あいまいです。
ときおり5EのNAの話も出てきます。



4.マフラー

ブーストアップまでして、マフラーそのまま……まさかそんなことする人はいないと思いますが、これだとタービン壊れちゃいます。相当な排圧が掛かりますから、すこしでも抜けはよくしてあげましょう。マフラーはメインパイプの太さは50パイくらいでいいです。60パイもいいですね。スターレット用社外マフラーは60が多いみたいです。小排気量でターボなので、それほど大きな排気音ではありません。街を我が物顔で走る除雪車エスティマ・オデッセイ・ステップWGNよりよっぽど静かです。
さてこのマフラー、セラ用なのかEP82用なのかどっち?と思ってしまいますが、ズバリどっちでもいいです。どうせ加工します。セラ用社外マフラーは基本的に触媒から後ろだけですので、それより前の部分はEP82用を加工したものを持ってくることになります。どうせだったらEP82用を一式用意して、少し加工してつけたほうが多少ラクでいいかと。(燃料タンク等に干渉したり短かったりします) 

作業難易度 ★★★☆☆(3/5)
【5Eの場合】ジャッキアップしてウマをかまし、触媒以降をレンチ(確か14)ではずす。タイコを吊っているマフラーリング(ゴム)からはずして純正マフラーを取り外す。逆の手順で取り付けるマフラーを組む。マフラーリングは硬化するので、交換の際できれば新品に。強度を上げた社外品もあります。ガスケットは再利用不可部品。レガリス新品なら付属している。中古であれば、径の合うものを事前に用意しておくこと。1個500円ほど。たいていの場合サビがひどいので、はずす作業は困難を極める。ボルトやマフラーリングとの接続部に作業の数日前から定期的にCRCなどを吹き付けておくと、取り外しがラクになるかも知れない。ただしCRCは可燃性。
【4Eの場合】上記のような加工も必要なので、ショップ等にお願いしましょう。



5.エアクリーナー

これがけっこうな問題です。エアクリーナーは、5Eの場合はサージタンクから右方向にまっすぐの位置にありました。 そこのボックスを撤去してむき出しタイプ等をつけることになりますが、4Eの場合、吸気のスタートはタービンです。つまり、エキマニの真ん前です。ここからどうやってエアクリーナーを出すのか。出し方としては、そのまま右ヘッドライト(運転席側)の後ろにつける。ちょっと微妙です。ベルトむき出しの部分ですから、固定をしっかりさせないと、なにかあった時に…。スタタボ用のパイピングをそのまま使えば、左ヘッドライト直後や、純正エアクリーナーボックスへ接続もできるでしょう。セラはエンジンルームが狭く、熱がこもりやすいので、なるべくフレッシュエアが吸える位置をチョイスしましょう。またレスポンスの関係から、なるべく短めに取りまわししたいです。

作業難易度 ★★★☆☆(3/5)
【5Eの場合】キノコ型の場合です。バッテリーの方から来ている樹脂製エアダクトとエアクリーナーボックスをはずします。まず4箇所くらいある留め具を起こしてずらすとエアクリーナーエレメントが見えると思います。サージタンクへ行っているパイプのバンドを外します。これでフタ部分はOK。箱についていたダイアグノーシスのカプラー部は遊ばせておいてもそんなに問題ありません。またフタに刺さっていた吸気温センサーは、とりあえずは遊ばせておきます。エレメントを取り出すと、ボックスの底に2(または3)箇所、ボルトで留められていますのでこれも外します。これでボックス部分は撤去OK。セラはDジェトロ方式なのでエアフロはない。あとはキノコ型クリーナーを取り付けます。E型エンジンNA用を取り付けるのであれば、吸気温センサー取付穴が開けてあるはずなので必ず差し込みます。忘れたり、穴がないスタタボ用を取り付けると、信号待ち等で突然アイドル回転の低下、はたまた暖気完了後でもアイドル回転が下がらないなどが起こります。最初に外した樹脂製エアダクトは、フロント方向から冷気を持ってくるのに利用できないことはないのですが、エアクリーナーボックス撤去で固定のための支点を失うため、バッテリーステーの1箇所どめのみとなり、がたつきがひどいので、撤去した方がイイでしょう。



6.オイルクーラー

5Eでも4Eでも、エンジンオイルは3Lと、イマドキの同排気量と較べて少なめ。構造的なこともあるのか、なかなかどうして、ターボNA問わず油温は意外と厳しい!いくら高性能な100%化学合成油といえども、120℃を越えれば添加剤の効果も弱くなり、それが続けば油膜切れの危険性が出てきます。なので、ガンガン回して攻めちゃう人は大きめのオイルクーラーは必須でしょう。JZX100系用とかがいいのではと思います。20℃は違うでしょう。オイルの寿命も少しは長くなるので是非つけましょう。

作業難易度 ★★★★★(5/5)
オイルブロックをエンジンとエレメントの間にはさむという定番の方法はターボでは不可能。タービンの真横なのでスペースがありません。トラスト製のエレメント移設キットが欠かせないでしょう。これはもうショップと相談で。



7.オイル
オイル
オイルクーラーの項でも書きましたが、油温の厳しいエンジンですので、ターボならオイルはいいものを選びましょう。特にブースト1.0kくらい掛けている車は、怠けたりケチったりすると油膜が切れてブローしちゃうかも。ノーマル車両ですら5000キロ以内での交換をトヨタ自動車が指定しているくらいです。回す人で1500km〜2000km、そうでなくとも3000キロ過ぎたらすぐに交換して下さい。5EのNAであれば、3000キロから5000キロで問題ありません。エレメントはやはりオイル2回に1回は変えたい。その場合交換用に準備するオイルの量を0.5Lほど上乗せします。さてオイルのグレードですが、チューニングの状態にもよりますが、ターボは冬場でも10W−40、夏場なら10W−50を入れたいです。オイルの量は3Lなのですが、レベルゲージの3分の2くらいが適量です。ヘッドの構造上オイルが戻りにくく、激しいコーナリング中などは偏って燃焼室に入っちゃう恐れがあるからです。そうなると白煙吹いてブローするかも。ただし、減らすならそれ相応のメンテや充分なチェックを怠りなく。5EのNAは0W−30から10W−40までお好みでどうぞ。0W−20や5W−20など、後ろの数字が20のオイルは、昭和の設計のE型エンジンには入れてはいけません。また、後ろの数字が50のオイルは、たかだか1500ccのNAだと重くて、もっさりし過ぎです。

作業難易度 ★☆☆☆☆(1/5) オイルフィルターも交換するなら★★☆☆☆(2/5)
セラ、EPのドレンボルトは12mmのネジピッチ1.25、使うレンチは14mmで共通です。パッキンは消耗品なので3〜4回オイル交換したらパッキン、またはドレンボルトごと換えましょう。300円くらいで店頭に並べている用品店があります。ホームセンターなどでオイル交換キットを買ってから作業して下さいね。1個400円くらいでしょうか。交換の前に軽くひとっ走りしておくと、オイルが温まって抜けやすいと思います。ジャッキアップしてウマをかけ、クルマの下に潜ってドレンボルトをはずし、オイルを抜きます。だいたい抜け切ったらドレンボルトを固く締め、パーツクリーナー等でドレンボルト周辺を洗浄します。ウマ・ジャッキを戻してクルマを水平に戻します。そしてオイルフィラーキャップを外してオイルを入れます。ターボの適量は2.5〜2.7リットル。NAなら3くらい。エレメント交換時は+0.5Lくらい。少しずつ入れながらレベルゲージで確認します。補充後、一度エンジンをかけ、問題ないことを確認。15秒程度で切り、少し置いてもう一度レベルゲージ確認。
フロントにエアロバンパーをつけている場合、とてもじゃないですがジャッキアップできないでしょう。その時は、なんとかしてクルマの下に潜り込んで、ドレンボルトをがんばって外しましょう。構造上、フロントを持ち上げてオイルを抜かないと、しずくが落ちなくなってもまだオイルパン内には古い汚れたオイルが残ってしまっています。古いオイルをなんとしても抜ききりたいのでしたら、ドレンボルトを締めずに新しいオイルを0.3〜5Lほど注いでみて下さい。下まで降りてきた古いオイルがさらに抜けてきます。入れすぎると新しいオイルまで抜けてきてしまいますので、頃合いを見計らってドレンボルトを締めます。あとは上記の通り。
オイルフィルターの交換は、ジャッキアップしてアンダーカバーも一部外し、下から行います。ドレンボルトを外してオイルが抜けきるのを待っている内に行いましょう。フィルターレンチを用品店で買っておいて下さい。サイズは65パイが適合します。付け外しのための作業スペースはきわめて狭く、ラジエターにラチェット等が接触して傷つけてしまいやすいです。慎重に、時間をかけて下さい。
オイル交換だけでも奥が深いです、ええ。



8.ラジエター

油温ほどではないものの、やはりターボでは水温も結構高くなってしまいます。前置ICならなおさら。水温計を付けていると、信号待ち等で停車中、みるみる針が上がっていくのがわかります。
スターレット用のラジエターでも、 NAのMT用−−−>NAのAT用とターボのMT用−−−>ターボのAT用とディーゼル用 でモノが違います。右にいくほど容量が大きいです。なので、できればディーゼル用を…となりますが、実は4Eターボとセラでラジエターの性能がほぼ同じなのです。ATセラからMTターボにするとしても、大は小を兼ねてOK。MTセラからATターボだと、足りないということになります。しかし、もう古いクルマですから、一度新調することでリフレッシュを図るのがイイでしょう。
ターボにすることでエンジンのエギゾースト部に大きなタービンが挿入されることになりますが、特に純正タービンで前置きICにする場合、ICへのパイピングがラジエターと接触しやすくなってしまいます(取り回し方にもよる)。ラジエターのアッパー側ブラケットを長穴加工してすこし前のめり気味に取り付けたり、AT用等の厚みのある2層式は避ける、またエンジンマウントを強化品にしたりエンジントルクダンパーを装着してエンジンが極力動かないようにするなど、コアとパイピングの接触を防ぐ手段を講じる必要があります。

作業難易度 ★★★★☆(4/5)
ラジエターはボデーのフレームにボルト止めされています。ドレンコックからLLCを全量抜いて、アッパーホースとロワホースをはずし、ボデーからラジエタをはずします。リザーバタンクはバッテリーのステーに固定されているので、 ステーを外して遊ばせておきましょう。交換後はエア抜きを忘れずに行ってください。普通DIYではここまでやらないと思います。



9.プラグ&プラグコード

プラグは純正だと熱価がデンソーの20、NGKの6番です。NAならエンジン本体に手を加えなければ熱価は変えなくても充分です。ターボでハイブーストかけるならデンソーの24、NGKの8番。適正な過給圧でアツい街乗りならデンソーの22、NGKの7番でしょう。カリカリにいじったターボではデンソーのイリジウム(中心電極0.4ミリ。社外品も含む)は避けた方がよいと言われます。同じイリジウムでもNGK(0.6ミリ)をどうぞ。プラグコードってイマイチ効果が見えません。気分的商品、でしょうか。しかし点火力の底上げ改善には効果があるのでしょう。カラフルですしドレスアップともいいます。体感0.5psくらいでしょうか。パワー以外で変化はあると思いますよ。

作業難易度 ★☆☆☆☆(1/5)
プラグコードは4Eと5Eでは実は互換性有り。ただし年式でコネクタ部の形状が異なります。サイノスなど1本少ないものも。年式注意です。エンジンはもちろん止めておき、デスビキャップから純正のプラグコードを引き抜き、同じ長さの交換コードと入れ替えていきます。バルクヘッド方面、つまりイグニッションコイルに向かっているコードも外します。気筒の番号を間違えると大変なことになるので、かならず1本ずつ確実に。
点火プラグは、プラグコードを引き抜いた状態でラチェット等を使って外すのですが、長めのエクステンションバー(延長棒)が必要となります。手持ちの工具セットになければ、エーモン等のプラグレンチの、二面幅16ミリというタイプを買ってください。エクステンションがすでにあれば、プラグ交換用のソケットをホームセンター等で買いましょう。プラグ1本くらいの値段はしますが、一生モノです。惜しまず買いましょう。さて交換ですが、ネジ状なのでどんどん回していくだけです。手で簡単に回せなくなったら、もう半回転くらいラチェットまたはレンチを回し、固く締めます。自信がなければ用品店やデーラーでプラグを買った時、一緒に交換もお願いしましょう、処分もしてくれるし。


10.ガソリン
ガソリン高いですね。チューニングしたらハイオク、これ原則。もうゼッタイ。レギュラーなんか入れたらすぐ壊れます。5EのNAならエンジン本体に手を入れたり、わざと点火時期をずらさない限り、レギュラーでいいです。

作業難易度 ☆☆☆☆☆(0/5)
何も難しくありませんが、スタンド選びもカーライフの重要なポイントだと思いません?満タンで箱ティッシュくれたり、提携カードで3円/Lも安くなったりとか。水抜き剤、添加剤を勧められたら、普段から自分で入れていると言って丁重に断りましょう。なんで値段が用品店の数倍もすんねん。1本でも量多すぎるのに2本も3本も入れやがるし。



11.エキマニ
ターボの純正ノーマル品はけっこうもろいそうです。安いので何かあったらすぐ交換するというなら純正でイイでしょう。長く使いたいなら社外品のJAMレーシング。ちょっぴり効率もよくなります。他もあるんでしょうか?詳しく知りませんが、ステンレス製はいい話を聞きません。エンジン直後の高熱になる部分だけに、耐久性が何よりも重視されるべきだと思います。
5Eでは、フジツボのサイノス用が問題なく装着できます。フロア下にある触媒までのパイピングをまるっと交換します。フジツボのマフラーはこの触媒から後ろですから、両方装着すれば触媒をのぞいてオールステンレス化が可能です。。。

作業難易度 ★★★★☆(4/5)
インシュレーターカバーを外し、エキマニとエンジンブロックをつないでいるナットを外します。 エキマニの下部にもありますので、上からの作業だけでは取り外しは不可能です。ジャッキアップしてマフラーに伸びるフロントパイプも外す必要があります。ガスケットも新品が要ります。また、ラジエターを外しておくと作業は比較的楽に行えます。ちょっとDIYでする部分じゃありませんねえ。


2006.6.4