セラ改造指南道場 2章 いろんなエンジンのススメ(結論はオンリーワンですが)


ここではセラでいかにして速いエンジンを作るかを話します。


まず、セラに載っている「5E−FHE」エンジンです。 このエンジンはサイノスやターセルコルサカローラ2にも搭載され、同じくターセル等やラウム、カローラバンなどの「5E−FE」の高出力バージョンです。FHEの「H」とは高出力のことのようです。
余談ですが、セラ登場当時、トヨタ自動車は小排気量車にも「ハイメカツインカム」や「EFI (電子制御式燃料噴射)」を続々と採用し、ボデーやリヤガラスに「16VALVE EFI」のステッカーやエンブレムがある車が公道にあふれました。これがエンジン型式にいう「FE」の意味です。電子制御で従来の機械式よりも相当な高出力を得ていましたが、さすがそこはバブル。もうワンランク上の存在としての「FHE」が生まれました。セラやサイノス、ターセルらの最上級グレード、一部カローラ系(A型エンジン)にも採用されています。これらには「16VALVE EFI−」のステッカーが奢られ(セラにはありませんでした)、プレミアム感を演出していたのです。4A−Gはまた別格だったのですが…。
5Eのボア×ストロークは74.0mm×87.0mm。 これは単純に言えばスターレット等に搭載されている4Eエンジン(74.0mm×77.4mm)のストロークアップ版といえます。なので、パワー的には「すでに引き伸ばされたエンジン」 と見るのが正解です。これ以上望めるかといわれれば、難しいですね。 チューニングをすすめても4A−Gクラスまでは伸びないでしょう。というのは、もともとが「F」のヘッド(実用回転域用)なのですから。NAじゃ大したことできません。(「G」)のヘッドこそ高回転でアツいスポーツツインカムの証し)
といってもセラは重量890kg(前中期、最軽量)で110ps。パワーウエイトレシオは8.09kg/psと、なかなかいい数値です。あくまでカタログスペックですがね。



1.徹底的メカチューン
この5E−FHEのままでチューニングを行う場合を考えます。ポート研磨、ハイコンプピストンは当然のこと、給排気効率の徹底化、さらなるハイカムに換えて燃料もよく噴くようにし、コンピュータをこれに合わせることでようやく140psというところか。費用対効果としてかなり厳しい。しかしトルクは思った以上に出るでしょうし、レスポンス自体はいいので、乗っていて楽しいのはこういうモノなのかも知れない。所有することの喜びってのもあるかも。セラと違いカタログ値115馬力を引き出すサイノス・タコ2(EL4系)の5E−FHEをもってくるのもマニアックでおもしろそうです。(インマニが違うのでそこをイジったら意味がない)



2.エンジン載せ替え(4A−G)
4A−G
エンジンを積み替えるのが最も手っ取り早いかな。たいていの場合若返りにもなるし。じゃあ何を載せるか。いきなりだがご存知トヨタの名機4A−G。1600ccで年代によるが165ps出ます。これがセラに載った例は一応ある。しかし、エンジンマウントからして全く違うので、ワンオフの嵐。予算は150万は見ておいたほうがいいようだ。また載ったとしても良く見積もって165ps。しかもエンジンは5Eよりも重い。ますますフロントヘビーに。値段あたりの馬力を見るなら決して得策とは言えないかも。また、プロショップに依頼するとしても工期もどれだけかかるか予想もつかない。全て手探りになるだろうし。よっぽど4A−Gに思い入れでもない限り、セラでコレをやらなくてもいいのではと思いますね。



3.「5E−FHTE(?)」ポン付けターボ
はっきり言ってこれは非常に危険。セラの5Eのままでエンジンにターボをつけるというわけだが、セラのエンジンは4Eのストロークアップとお伝えした。 つまり、コンロッドが長い。これは簡単に言えばピストンの上下動が大きいということ。移動距離が長いということは、それだけピストン自体が不安定なのである。よって、このエンジンにターボによるブーストをかけると、自明にピストンにブレが生じ、油膜を破ってエンジンブロックに ヒットする可能性が高い。
そもそもスターレットの4E−FTEは、ベースである4E−FEにただタービンをつけただけではなく、それに伴ってヘッドまわり(カムやバルブなどなど)ピストン、コンロッドも強度のあるものをわざわざ新開発しているわけで、NAが前提の5Eにタービンを付けてしっかり走らせるというのは、一筋縄ではいかないのだ。ポン付け5Eターボではブースト圧0.5kでブローの危険性十分という識者の話である。これはちょっと大袈裟だとしても、0.8kもかけていればすぐオシャカだろう。ゼロヨンをやるスターレットで5E化し1.5kなどを見かけるが、あれは4E−FTEの排気量を増す改造をしたものであり、5E−FEまたは5E−FHEをターボにしたものではないのである。
4E−FTEから始めて5E化させ、ビッグタービンを装着してきっちり仕上げてくれば、300psオーバーもおおいにありうる。が、レースと公道とで同じ考えをしてはいけない。そういったところから、街乗りを楽しもうと思っている人だけでなく、ちょこっとサーキット程度の使用でも、5Eにポン付けターボは耐久性の問題が大きすぎるのだ。オススメはしない。クルマって、走ってナンボでしょう。半年に1回とか、修理や調子をみるために入院させることに抵抗を感じませんか?



4.「4E−FTE」載せ替え
実はポピュラーなセラチューンがこれである。スターレットGTターボ、またはグランツァV、すなわちEP82とEP91のターボエンジンである4E−FTEをセラに載せてしまう。 5Eと4Eはエンジンの高さが違うほかは、カタチ自体ほとんど同じ。なのでスッポリ入る。とはいえタービンが新たについてくるので排気系の取りまわしは違うし、 4E純正の上置きインタークーラーを装着するとセラのボンネットは閉まらない。いろいろ問題点はあるが、載せるには一番お手軽だったりする。セラは年式的に古いので、7年式以降のスタタボを探してくればいいリフレッシュにもなる。スペックは135ps。これにやることをキチンとやってあげると実用耐久性を保ちつつ200psあたりまで伸びるのだ。スタタボと言えば走り屋でも定番のライトウエイトスポーツ。 絶版になって久しいが、まだまだそこら中で走っているし、もともと軽くて小排気量だから安くて人気。そのエンジンを丸ごと頂いちゃうのだからこれはおいしい。

理想ではあるがスタタボが1台まるごとあれば最高。ATの人はMTのスタタボならいっしょのミッションも持ってこれるので一石二鳥です。 セラのエンジン(&ミッション)をよっこらしょと摘出し、スタタボのエンジン(&ミッション)を載せる。コンピュータやドライブシャフトはすべてEP用をそのまま使う。バラバラで手に入れたのならともかく、だいたいエンジンにセットでついてくることになろう。
タービンと触媒がエギゾースト部分にはさまることにより、マフラーが5E用では使えなくなりますが、パイプを作成するか4E用のマフラーを小加工すれば取り付けできるようです。上置きインタークーラーは外してしまうことになるが(クエストパワー製ボンネットならOK)、15万くらいで前置きインタークーラーが組めるので、やってみるとよいかも。インタークーラーあるなしで10〜20psは違うと思います。ただし社外エアロバンパーにしないとダメです。ノーマルバンパーでは前置きICはおそらく不可能です。
買ってくるスタタボの値段にもよりますが、工賃が30万くらいと見てもトータルで60万あればなんとかなるでしょう。EP82よりもEP91(グランツァV)のほうが、タービンもいいものを使っています。91のほうが羽が8枚→9枚と多いし、口径も大きく中速域はかなり違うでしょう。エンジン交換のついでにタービン交換しない上で走行距離、年式のいってないものを選ぶなら、EP91を探しましょう。って、自分で買うんじゃないですよ。ショップに依頼しましょう。自分で買ったクルマをショップに持ち込むのは、少々失礼です。しかし、グランツァVはそろそろプレミア感があり、きれいな個体は高価。(つ〜かそのまま乗るべき)やっぱり理想はおカマ掘られてリアだけつぶれた車体ですね。作業もエンジンの手配も、ノウハウのある専門ショップに依頼しましょう。

あとはスターレットのチューンを楽しめばいいです。強化アクチュエーターとブーストコントローラーによるブーストアップで150psは出てくるでしょう。 過給圧0.8k以上は制御の関係からCPUのイジリが必要になってきます。またはブーストカットコントローラなるものが必要ですね。 これだけをつけても結局燃料は薄いままなので、できればフルコンで制御したいです。 4Eの話はまだまだ次のページに続きます。
ここでは単純にエンジンとパワーの話をしているのであって、載せ替えを実施することによる、国に対する改造届け出および許認可はまた別の話です。



5.「3S−GTE」載せ替え
3S−GTE
どうせなら誰もやったこと無い反則技を、とお考えなら、同じくトヨタの名機3S−GTEはいかがでしょう?どうやら入るらしいです寸法だけの話。当然マウントはワンオフ、パワステやエアコンも外すことになるでしょう。ラジエターももっと前の方に出さないといけないかもしれません。ドライブシャフトなども全部ワンオフです。もうすべてが一品モノ。しかし、ちゃんと走れば最強でしょうね。雑誌なんかでは500ps超もゴロゴロ。FFでこんな馬力扱えるのかどうか不明ですが、最強なのは間違いないです。 まぁ、200万とかじゃ全然足りないでしょうが…。 もう一度言いますが、クルマって、走ってナンボでしょう?
(その昔、TRDが限定車でカローラに3S(ターボだったかも覚えていない)を載せたという話があります。 メーカー直系のチューニング屋がカローラに載せるのが精一杯なのに、スターレット系に載せる技術なんて存在するはずがないと思います。セリカ・MR−2、アルテッツアに強いショップに聞くだけ聞いてみては?)



6.「4E−FE」載せ替え
維持重視ならこれでしょう。そのへんのスターレットからもってきてしまう。EP91型になると制御がずいぶんと高度になってきたので、カンタンにはいかないけど、どういうかたちであれ走り続けるなら、タマ数に心配のない4E−FEが、必要にして充分な選択肢となるでしょう。しかしながら、スターレットの後継となったヴィッツでさえ、当初から積んでいた「1SZ−FE(1000cc)」が世代交代で一線を退いた今、さらにその先代にあたる4Eは、この先ますます先が細るばかりです。しかもエンジン型式はターボが無くても4E。構造変更として陸運事務所にOKをもらわなくてはいけません。エンジンの購入よりもこの手続きの方が、外部に依頼するなら費用がかかってしまうのではと思います。


7.「1NZ−FE」載せ替え
トヨタが誇る現行型1500ccエンジンである「1NZ−FE」。5Eの後継としてこれほどピッタリくるものはありません。しかし、当然5Eとは何のつながりもありませんから、載せようっつったって4A−G並に難しいでしょう。E型エンジンが後方吸気、前方排気だったのに対し、NZ型は前方吸気、後方排気です。ここまでくると、よっこらしょでどうにかなるレベルではありません。まさかひっくり返すわけにもいきませんし。しかしながら、5Eとは1ccたりとも違わず、ロングストロークなのも同じ。採用車種が小型車で大変多く、トヨタの屋台骨を一番下で支えているというのも、在りし日のE型エンジンを思わせてホロリとさせます(馬鹿)。
登場からずいぶん経ち、イジられっぷりも充実いちじるしく、スーパーチャージャー、ターボどちらも開発されており、真のスタタボ後継を造り上げてしまうこともできます。はやく何処かの誰かがビックリさせて欲しいものです。


8.「1N」「1N−T」ディーゼルへ載せ替え
スターレットやターセルコルサカローラ2にあったんだから、載らないことはないだろう。タコ2のは過給器付きでした。つまりターボです。ターボですよ。もうひとつのセラターボ、誰か目指してみませんか?はやく何処かの誰かがビックリさせて欲しいものです!


2006.6.1